コラム

9月の主な動き

●8月27日

押印欄に代わるチェックボックスを設けた36協定届(案)が提示(厚生労働省)

第163回労働政策審議会労働条件分科会で、労働基準法に基づく届出等における押印原則の見直しと過半数代表者の適格性の確認の在り方に関する議論が行われました。

 

【押印原則の見直し】
●36協定届を含め、押印を求めている法令様式等については、押印原則を見直し、使用者および労働者の押印欄の削除ならびに法令上、押印または署名を求めないこととする
●押印原則の見直しを踏まえ、電子申請における電子署名の添付も不要とする
●また、押印を求めている法令様式のうち、過半数代表者の記載のある法令様式については、36協定届も含め、様式上にチェックボックスを設けることとする

 

【過半数代表者の適格性の確認の在り方】
●押印廃止後、法令様式に、協定当事者が適格であることについてのチェックボックスを設け、使用者がチェックした上で、労働基準監督署長に届け出ることとする
●新たに設けるチェックボックスにチェックがない場合、形式上の要件を備えていないものとする
●適正な36協定締結・届出についての周知・指導の徹底

 

なお、資料では改正後の36協定届(案)も提示され、それによれば過半数代表者の職名・氏名、選出方法を記載する欄の下に、次のようなチェックボックスが設けられています。

□上記は事業場の全ての労働者の過半数で組織する労働組合であるまたは事業場の全ての労働者の過半数を代表するものであること。

□上記の者が労働者の過半数を代表する者の場合、労働基準法第41条第2号の監督又は管理の地位にある者ではなく、投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって使用者の意向に基づき選出されたものでないこと。

 

労働基準法に基づく届出等における押印原則の見直しについて

 


 

●9月1日

第14回 中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ

36協定締結の徹底に向けて要届出事業場の絞込みによる集中的な取組みが進められています。9月1日に開催された第14回中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループの資料にて、今年度の取組み内容が示されています。

 

【36協定要届出事業場】
全国約440万事業場のうち、36協定未届事業場約220万事業場
うち届出が必要にもかかわらず未届の事業場(要届出事業場)は約120万事業場(推計)

 

【要届出事業場の絞込みによる集中的取組みの内容(令和2年度)】
・36協定未届事業場のうち約20万事業場に対し、自己点検シートを送付し、締結・届出を促す
・点検結果の提出内容から要届出事業場を把握し、その全数に36協定届の様式を送付し、届出を勧奨する
・点検結果の提出率向上のため、未回答事業場の全数に文書による回答督促を実施する
・労働保険の適用事業場に対し、36協定の締結勧奨や作成支援ツールの紹介等を内容とする周知用リーフレットを一斉送付する

 

第14回 中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ議事次第

 


 

●9月1日

複数事業労働者の労災保険給付請求書・改定版「副業・兼業の促進に関するガイドライン」公表(厚生労働省)

複数事業労働者の労災保険給付創設に伴い各種給付請求書のダウンロード用(OCR)様式が公表されました。
また、リーフレットやパンフレットも公表されています。

さらに、同日より適用されることとなった改定版「副業・兼業の促進に関するガイドライン」も公表されています。

 

複数の会社等に雇用されている労働者の方々への労災保険給付が変わります

 

副業・兼業の促進に関するガイドライン

 


 

●9月10日

地域別最低賃金の全国加重平均額は902円に(厚生労働省)

令和2年度の地域別最低賃金の改定額が公表されたました。今年度は、7月22日の中央最低賃金審議会にて、新型コロナウイルス感染症拡大による現下の経済・雇用への影響等を踏まえ、引上げ額の目安を示すことは困難とされたこともあり、全国加重平均額は令和元年度の901円から902円への上昇にとどまりました。

 


 

●9月13日

日本年金機構、ホームページをリニューアル

 


 

●9月17日

求人不受理、外国人技能実習生に定額残業代制を適用する場合の労働条件明示等、指針の改正に関するパブリックコメント募集入国在留管理庁と厚生労働省)

「監理団体及び団体監理型実習実施者等が労働条件等の明示、団体監理型実習実施者等及び団体監理型技能実習生等の個人情報の取扱い等に関して適切に対処するための指針」(以下、「技能実習指針」という)の改正に関するパブリックコメント募集を開始しました。

この改正は、平成29年の第193回国会で成立した雇用保険法の改正により、一定の労働関係法令違反を繰り返す求人者等の求人については、ハローワークで受理しないこととされ、公布から3年以内施行とされていたものが施行される等に伴うものです。

 


 

●9月25日

第154回労働政策審議会職業安定分科会開催(厚生労働省)

同日の議題は次のとおりです。

(1) 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱等について(諮問)
(2) 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)……(編注:中途採用比率公表義務についても諮問されています)
(3) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱等について(諮問)
(4) 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)(改正漁業法の施行等に伴う改正)
(5) 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)(雇用調整助成金の特例措置の延長)
(6) 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(7) 2019年度の評価及び2020年度目標の設定について
(8) 2019年度のハローワークのマッチング機能に関する業務の評価・改善の取組について
(9) その他

(1)から(5)については、次のように施行期日が記載されています。

(1)令和3年4月1日
(2)令和3年4月1日
(3)令和3年1月1日(派遣労働者の雇入れ時の説明の義務付け、労働者派遣契約に係る事項の電磁的記録による作成)
令和3年4月1日(雇用安定措置に係る派遣労働者の希望の聴取等、マージン率等のインターネットでの情報提供について)
(4)令和2年12月1日
(5)公布の日

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