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雇用調整助成金をあきらめない!④

前回のコラムで、雇用調整助成金の更なる拡充をお伝えしましたが、それに引き続き「令和2年6月12日付け特例措置に関する雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)FAQ」が厚生労働省ホームページに掲載されました。

雇用調整助成金のホームページでは、現在以下のガイドブック、FAQが掲載されていますのでご確認ください。

 

・雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)(6月12日現在版)

 

・雇用調整助成金FAQ(5月29日現在版)

 

・令和2年6月12日付け特例措置に関するFAQはこちら(R2.6.15掲載)

 

 

以上のガイドブック及びFAQのうち、当事務所が注目しているのは、以下の内容です。

 

雇用調整助成金FAQ(5月29日現在版)より

問31 労働保険料の未納や労働関係法令違反で不支給要件に該当していますが、 従業員の雇用維持のため雇用調整助成金を利用できませんか。

答31  今般の「緊急対応期間の特例」は、新型コロナウイルス感染症の拡大が見られる状況下において、雇用維持を最優先とした緊急時の対応であることから、労働保険料の未納や労働関係法令違反の不支給要件に該当していても、特例的に利用いただくことが可能です。ただし、一定の条件がありますので、まずは、管轄の労働局に御相談ください。

 

雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)(6月12日現在版)P4より

次の ①と②のいずれの場合も、緊急対応期間の特例として、本来の不支給措置期間に「緊急対応期間中に雇用調整助成金を受給した期間」を、緊急対応期間後(令和2年 10 月1日)から追加されることを承諾した場合は、本助成金を申請することができます。

 

①過去に申請した雇用関係助成金について不正受給による不支給決定又は支給決定の取り消しを受けたことがあり、当該不支給決定日又は支給決定取消日から3年または5年の不支給措置期間を経過していない場合

 

②他の事業主において 平成 31 年4月1日以降に申請した雇用関係助成金の 不正受給に関与した役員等が 、申請事業主に 所属している場合

 

ただし、過去の不正受給について、返還すべき請求金が課されている事業主の場合には、支給申請の日までに全て返還している場合に限ります(他の事業主の不正受給に関与した役員等が所属している場合も同じです)。

 

令和2年6月12日付け特例措置に関するFAQ(R2.6.15掲載)より

(不正受給)
問25 不支給措置がとられている事業主でも、 緊急対応期間内にある 判定基礎期間に限り、雇用調整助成金を申請できることになりましたが、いつから適用されますか。

答25 この措置については、 令和2年6月 12 日に施行され 、令和2年4月1日から適用されます。 ただし、本特例により受給した期間 について、令和2年 10月1日以降に不支給措置期間として追加する 等の措置も同時に行われますので、詳しくは厚生労働省のホームページ又は労働局・ハローワークまでご確認ください。

 


 

これまでの助成金ではありえなかったことが起きています。

 

そもそも雇用関係助成金や、労働条件等関係助成金は、労働法令を遵守した事業主に支給されるものです。管轄の労働局に御相談下さい…とありますが、ここまでの条件緩和は賛否両論があると思われます。

 

なぜなら、他の助成金を申請すると分かるのですが、助成金の審査では、労働局から労働時間管理や賃金(特に残業代)計算等の指摘があるとそれにひとつひとつ対応しなくてはなりません。

 

つまり、日頃の労務管理が適正に行われていることの、いわばお墨付きが助成金の受給であり、日頃の行いが良くない会社に助成金という恩典があって良いのだろうかとさえ感じてしまうのです。

 

その一方で、会社が助成金を受給できないことを理由に、パートアルバイトを含めた社員に休業手当が支払われないことはあってはなりませんし、これを機に、コロナで負ったダメージを会社と社員が一体となって盛り返していくためには、いままで杜撰だった労務管理を見直さなくては!という機運が高まることは望ましいことだとも思うのです。

 

助成金は、収益の源泉である従業員ひとりひとりが、高いパフォーマンスを発揮するためのいわば「スポーツドリンク」です。

私を含め社会保険労務士は、会社に助成金というお金をもたらす“金づる”ではありません。

従業員が活躍する会社を築いてゆくパートナーであるよう、日々努力を重ねているのです。

 

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