コラム

東京労働局の報道発表

東京労働局のホームページにて公開された最近の報道発表で、特に注目したいものをご紹介します。
※各見出しに、該当する報道発表へのリンクを設定しています。

6月20日(金)民間人材ビジネスに対する指導監督状況をとりまとめました

延べ4,291事業所に指導監督を実施、2事業主に対して行政処分
<令和6年度指導監督の概要>
【行政処分】
☆ 派遣元事業主(2事業主)に対して業務改善命令を発出。
【行政指導】
☆ 労働者派遣事業延べ3,135事業所、職業紹介事業延べ1,038事業所、請負事業等延べ118事業所(計延べ4,291事業所)に対して、指導監督を実施。
☆ 指導監督を行った事業所に対する是正指導(文書指導)を、労働者派遣関係3,013件、職業紹介関係920件、請負事業等関係77件(計4,010件)実施。

6月27日(金)東京都内の労働基準監督署における令和6年の申告事案の概要

賃金不払及び解雇の申告件数が増加した 
  【申告事案の概要のポイント】
1 申告受理件数: 4,347件(前年比345件増)
  令和5年に引き続き、3年連続で増加した。
2 申告内容(申告内容別の件数:4,805件)
  賃金不払及び解雇の申告件数が増加した。
  ⑴ 賃金不払: 3,359件(前年比265件増)
  ⑵ 解雇: 501件(前年比3件増)
  ⑶ 労働時間: 78件(前年比10件増)

主な申告による監督指導事例として以下のものが掲げられています。申告とは、最低労働基準を定めた労働基準法などに違反するとして労働者が労働基準監督署に救済を求めるもので、労働基準監督署では、労働者の置かれた状況に意を払い、懇切・丁寧な対応に留意しつつ、迅速・的確に処理を行うものとされています。

違反事項 事例
定期賃金不払 退職した労働者から、最終勤務月の賃金が全額支払われないという申告を受け、調査したところ、事業主は労働者の勤務態度を理由に最終勤務月の賃金を全額支払っていなかったため、是正勧告を行った。
労働基準監督官が法律の趣旨を丁寧に説明したところ、事業主が理解をし、未払賃金全額が支払われた。(接客娯楽業)
割増賃金不払 退職労働者から、時間外労働に対する割増賃金が支払われていないという申告を受け、調査したところ、事業場の労働時間管理が不十分であった。
労働基準監督官が関係資料の提出を求め、その内容を精査したところ、割増賃金の未払が認められた。
厳しい経営状況にあるとする事業主に対し、労働基準監督官が法律の趣旨を丁寧に説明したところ、事業主が理解をし、未払分の割増賃金が全額支払われた。(商業)
解雇 労働者から、即時解雇されたにもかかわらず、解雇予告手当が支払われないとの申告を受け、調査したところ、事業主は解雇予告手当を支払わず、即日解雇したことを認めた。
労働基準監督官が法律の趣旨を丁寧に説明し、解雇予告手当を支払うよう是正勧告を行った結果、事業主が理解をし、解雇予告手当が全額支払われた。(建設業)
労働時間

在職中の労働者から、違法な時間外労働が行われているとの申告を受け、調査したところ、事業主は36 協定を締結・届出をしないまま、時間外労働を行わせていることが判明したため、是正勧告を行った。
労働基準監督官が法律の趣旨及び36協定の届出方法を丁寧に説明した結果、事業主が理解をし、36 協定の締結・届出がなされ、協定の範囲内で時間外労働が行われるよう是正された。(保健衛生業) 

 

6月27日(金)令和6年度の東京労働局管内における送検状況について

労働安全衛生法に定める危険防止措置違反が最多
1 概 要
令和6年4月から令和7年3月までの1年間に、東京労働局及び管下の労働基準監督署(支署)では、86件(前年度に比べ35件増)の司法事件を東京地方検察庁に送検しました。
送検した司法事件の主な違反事項をみると、労働安全衛生法において定める危険防止措置に関する違反が31件と最も多く、次いで、賃金・退職金不払に関する違反が11件、労働時間・休日に関する違反が8件となっています。
また、業種別でみると、建設業が28件と最も多く、次いで商業が13件となっています。

2 違反事項の内容
(1)労働基準法・最低賃金法違反・・・34件
主な送検事項
賃金・退職金不払に関する違反:11件
労働時間・休日に関する違反:8件
解雇の予告に関する違反:3件

(2)労働安全衛生法違反・・・52件
主な送検事項
労働安全衛生法において定める危険防止措置に関する違反:31件
健康診断の未実施:6件
労災かくし:4件

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