コラム
新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)が5月15日版に更新されました
新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)が令和5年5月15日版に更新されました。
新型コロナウイルス感染症が令和5年5月8日に5類感染症に位置づけられたことに伴い、Q&Aの内容についても随時更新が行われる模様です。会社の従業員に対する対応の基本的な考え方として、この機会にもう一度確認されることをお勧めします。また、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)についてもご一読下さい。
※以下のご質問は弊所にも多く寄せられておりますので、このQ&Aから抜粋して掲載します。
<休業させる場合の留意点>
問1 新型コロナウイルスに感染した、または発熱などの症状がある労働者を事業者の判断で休業させる場合、休業手当の支払いは必要ですか。
労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中当該労働者に、休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
使用者の責に帰すべき事由とは、企業の経営者として不可抗力を主張し得ないすべての場合とされています。
ここでいう不可抗力とは、
①その原因が事業の外部より発生した事故であること、
②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること
の2つの要件をいずれも満たす必要があります。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に変更されましたが、休業手当の支払義務の考え方について変更はなく、上記のような考え方の下で個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案して判断されることとなります。
例えば発熱などの症状があることのみをもって一律に労働者に休んでいただく措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。
<新型コロナウイルスに感染した方や発熱などがある方の自主休業>
問2 労働者が新型コロナウイルスに感染した、または発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。
新型コロナウイルスに感染した場合、一定期間は外出を控えることを推奨していますが、新型コロナウイルスに感染した、または発熱などの症状がある労働者が自主的に休まれる場合は、通常の病欠と同様に取り扱っていただき、病気休暇制度(事業場で任意に設ける休暇)を活用することなどが考えられます。
一方、例えば感染したことや発熱などの症状があることのみをもって一律に労働者に休んでいただく措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
<年次有給休暇と病気休暇の取り扱い>
問5 新型コロナウイルスに感染している、またはその疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどのようになりますか。
年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。事業場で任意に設けられた病気休暇により対応する場合は、事業場の就業規則などの規定に照らし適切に取り扱ってください。
なお、使用者は、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないことにご留意ください。
新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)も令和5年5月16日版に更新されています。
同じく労働者の方向けQ&Aの内容についても、随時更新が行われる模様です。
※以下のご質問は弊所にも多く寄せられておりますので、このQ&Aから抜粋して掲載します。
問1 妊娠中ですが職場で働くことが不安です。どうしたらよいでしょうか。
働く妊婦の方は、職場の作業内容等によっては、感染について大きな不安やストレスを抱える場合があります。感染そのものだけでなく、これによる「不安やストレス」を妊婦の方が回避したいと思うのは当然のことです。
そこで、新たに、事業主の新型コロナウイルス感染症に関する妊婦の方への対応(※)を法的義務としました(令和2年5月7日~令和5年9月30日)。具体的には、こうした不安やストレスが、母体または胎児の健康に影響があると、主治医や助産師から指導を受ける場合があります。働く妊婦の方は、その指導内容を事業主に申し出た場合、事業主は、この指導に基づいて必要な措置を講じなければなりません。例えば、「感染のおそれが低い作業に転換させる」、「在宅勤務や休業など、出勤について制限する」といった措置が考えられます。
主治医等からの指導については、その指導事項を的確に伝えるため「母性健康管理指導事項連絡カード」というものを作っていますので、こちらを主治医等に書いてもらうことで、適切な措置を受けられることになります。
もともと、働く妊婦の方は、新型コロナウイルスとは関係なく、主治医等の指導に基づき、妊娠中の通勤緩和や休憩、あるいは妊娠に伴う症状などに応じて妊娠中の作業の制限、勤務時間の短縮、休業等、様々な措置を受けられる可能性があります。
また、妊婦の方も含めたすべての方が、テレワークや時差通勤など多様な働き方が可能となるよう、政府として要請を行っております。
これを機に、事業主の方は、妊婦の方の働き方をもう一度見つめ直していただき、働く妊婦の方は母体と胎児の健康を守っていただければと思います。
(※)男女雇用機会均等法第13条に基づく母性健康管理措置
問1 新型コロナウイルスに感染したため会社を休む場合、傷病手当金は支払われますか。
新型コロナウイルス感染症に感染し、その療養のため労務に服することができない方については、他の疾病に罹患している場合と同様に、被用者保険に加入されている方であれば、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3分の2に相当する金額が、傷病手当金として支給されます。
新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の申請について(協会けんぽ)
新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金については、臨時的な取扱いとして、療養担当者意見欄(申請書4ページ目)の証明の添付が不要とされておりましたが、申請期間(療養のため休んだ期間)の初日が令和5年5月8日以降の傷病手当金の支給申請については、他の傷病による支給申請と同様に、傷病手当金支給申請書の療養担当者意見欄(申請書4ページ目)に医師の証明が必要となります。
傷病手当金についてはこちら:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
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