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令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況 / 令和5年度過労死等の労災補償状況

厚生労働省より7月12日(金)「令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況」、同じく6月28日(金)に「令和5年度過労死等の労災補償状況」が公表されました。
令和4年度との比較:令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況 / 令和4年度過労死等の労災補償状況

令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況

「令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します
令和5年度雇用環境・均等部(室)における雇用均等関係法令の施行状況について

【ポイント】

1 総合労働相談件数は高止まり。助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より増加
  ・ 総合労働相談件数は121万400件で、4年連続で120万件を超え、高止まり
  

 

 

 

2 民事上の個別労働関係紛争における相談、あっせんの申請では「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多。
  ・「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は、60,113件(前年度比14.0%減)で12年連続最多
  ・「いじめ・嫌がらせ」のあっせんの申請は、800件(同7.6%減)で10年連続最多

3 民事上の個別労働関係紛争における相談、助言・指導の申出、あっせんの申請の全項目で、「労働条件の引下げ」の件数が前年度から増加。
  ・「労働条件の引下げ」の相談件数は、30,234件(前年度比6.9%増加)、助言・指導の申出は、1,020件(同26.7%増加し最多)、あっせんの申請は、380件(同20.6%増加) 

「個別労働紛争解決制度」とは
個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、迅速に解決を図るための制度で、「総合労働相談」、都道府県労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法がある。

さらに詳しく①「総合労働相談」とは
都道府県労働局、各労働基準監督署内、駅近隣の建物など379か所(令和6年4月1日現在)に、あらゆる労働問題に関する相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナーが設置されており、専門の相談員が対応している。

さらに詳しく② 「助言・指導」とは
民事上の個別労働紛争について、都道府県労働局長が、紛争当事者に対して解決の方向を示すことで、紛争当事者の自主的な解決を促進する制度のこと。助言は、当事者の話し合いを促進するよう口頭または文書で行うものであり、指導は、当事者のいずれかに問題がある場合に問題点を指摘し、解決の方向性を文書で示すもの。

さらに詳しく③ 「あっせん」とは
都道府県労働局に設置されている紛争調整委員会のあっせん委員(弁護士や大学教授など労働問題の専門家)が紛争当事者の間に入って話し合いを促進することにより、紛争の解決を図る制度。

さらに詳しく④「民事上の個別労働紛争」とは
労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(労働基準法等の違反に関するものを除く)。

令和5年度過労死等の労災補償状況

過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数※2などを、厚生労働省は平成14年以降年1回、取りまとめています。

※1「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されています。
※2支給決定件数は、令和5年度中に「業務上」と認定した件数で、令和5年度以前に請求があったものを含みます。

【ポイント】
過労死等に関する請求件数:4,598件(前年度比1,112件の増加
支給決定件数:1,099件(前年度比195件の増加
うち死亡・自殺(未遂を含む)件数 137件(前年度比16件の増加

以下の事案別に、請求件数、支給決定件数、業種別の傾向、職種別の傾向、年齢別の傾向、時間外労働別の傾向が公表されています。
1 脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況(支給決定件数216件・前年度比22件増加
2 精神障害に関する事案の労災補償状況(支給決定件数883件・前年度比173件増加

また、上記2では出来事(※)別の傾向として、以下の通り公表されています。
「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」157件
「業務に関連し、悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」111件
セクシュアルハラスメントを受けた」103件の順に多い。
※「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの。

3 裁量労働制対象者に関する労災補償状況
令和5年度の裁量労働制対象者に関する脳・心臓疾患の支給決定件数は3件で、専門業務型裁量労働制対象者が2件、企画業務型裁量労働制対象者が1件であった。また、精神障害の支給決定件数は6件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者であった。

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