コラム
ハラスメントのない職場へ③-ハラスメントとストレスチェック
ストレスチェック制度とは?
ストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを主な目的としたものです。平成27年12月に施行されました。(厚生労働省HPより)
ストレスチェックではどのようなことを検査するのか?
厚生労働省が推奨している調査票(職業性ストレス簡易調査票(57項目))では、以下が主な項目となっています。
●職場における当該労働者の心理的な負担の原因
●当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状
●職場における他の労働者による
労働者が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ストレスが高い状態の場合は医師の面接を受けて助言をもらったり、会社側に仕事の軽減などの措置を実施してもらったり、職場の改善につなげたりすることで、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みとなっています。
労働者のメンタルヘルスは、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント等職場内のハラスメントを含む職場の人間関係、職場の組織及び人事労務管理体制、職場の文化や風土等の職場環境等が影響を与えるものであり、職場レイアウト、作業方法、コミュニケーション、職場組織の改善などを通じた職場環境等の改善は、労働者の心の健康の保持増進に効果的であるとされています。(労働者の心の健康の保持増進のための指針より)
職場分析 ⇒ 職場環境の改善 ⇒ ハラスメントのない職場へ
ア.職場環境等の評価と問題点の把握
職場環境等を改善するためには、まず、職場環境等を評価し、問題点を把握することが必要。このため、事業者は、管理監督者による日常の職場管理や労働者からの意見聴取の結果を通じ、また、ストレスチェック結果の集団ごとの分析の結果や面接指導の結果等を活用して、職場環境等の具体的問題点を把握するものとしています。(労働者の心の健康の保持増進のための指針より)
職場環境等の改善に当たっては、労働者の意見を踏まえる必要があり、ストレスチェックの実施者に、ストレスチェック結果を一定規模の集団(部、課、グループなど)ごとに集計・分析してもらい、その結果を踏まえ職場環境の改善を行うことが必要です。集団ごとに、質問票の項目ごとの平均値などを求めて、比較するなどの方法で、どの集団が、どういったストレスの状況なのかを調べます。
※ 注意! 集団規模が 10 人未満の場合は、個人特定されるおそれがあるので、全員の同意がない限り、結果の提供を受けてはいけません。
原則 10 人以上の集団を集計の対象とします。
イ.職場環境等の改善
事業者は、アにより職場環境等を評価し、問題点を把握した上で、職場環境のみならず勤務形態や職場組織の見直し等の様々な観点から職場環境等の改善を行うとしています。(労働者の心の健康の保持増進のための指針より)
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトこころの耳(厚生労働省)では、職場環境改善に役立つツールや関連コンテンツが紹介されています。
豊富に資料が揃えられておりますが、そのなかでもストレスチェック制度を利用した職場環境改善スタートのための手引きは是非活用していただきたいと思います。
ご不明の点がありましたら、お気軽に弊所までご相談下さい。
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