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派遣料金の引き上げに応じてもらえない

3月1日、厚生労働省より、「派遣労働者の待遇改善に向けた対応マニュアル」が公表されました。
これは、令和2年4月に施行された改正労働者派遣法(派遣労働者の同一労働同一賃金)について、全国の派遣元(派遣会社)への調査をもとに、施策・ノウハウの好事例を集めたものとなっています。
実質20ページちょっとと、ボリュームにやや物足りなさは感じるものの、業務の流れに沿って、派遣会社の「困りごと」への対応策がポイントよくまとめられています。
派遣労働者の同一労働同一賃金について (mhlw.go.jp)

※下向きにスクロールして、◎派遣労働者の待遇改善に向けた対応マニュアルのところにあります。
今回のコラムのタイトル「派遣料金の引き上げに応じてもらえない」も、このマニュアルで取り上げられています。
まず派遣料金について、業務取扱要領では以下の通り記載されています。


第5 労働者派遣契約
2 契約の内容等
(4) 派遣料金の配慮
イ 概要
労働者派遣の役務の提供を受けようとする者及び派遣先は、当該労働者派遣に関する料金の額(以下「派遣料金」という。)について、派遣元事業主が派遣先に雇用される通常の労働者との間の均等・均衡待遇の確保のための措置及び一定の要件を満たす労使協定に基づく待遇の確保のための措置を遵守することができるように配慮しなければならない(法第26条第11項)。
ロ 意義
派遣元事業主が、派遣労働者の公正な待遇を確保するため、派遣先に雇用される通常の労働者との間の均等・均衡待遇の確保のための措置及び一定の要件を満たす労使協定に基づく待遇の確保のための措置を行う場合には、これらの措置を行うための原資を確保することが必要となるため、労働者派遣の役務の提供を受けようとする者(=これから派遣契約を締結する派遣先のこと)及び派遣先に対し、派遣料金に関する配慮義務を課すこととしたものである。

ハ 派遣料金の配慮に関する留意点
(イ) この派遣料金の配慮義務は、労働者派遣契約の締結又は更新の時だけではなく、当該締結又は更新がなされた後にも求められる(派遣先指針第2の9の(2)のイ)。
(ロ) また、派遣先は、派遣料金の決定に当たっては、派遣労働者の就業の実態、労働市場の状況、当該派遣労働者が従事する業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度並びに当該派遣労働者に要求する技術水準の変化等を勘案するよう努めなければならない(派遣先指針第2の9の(2)のロ)。
(ハ) 例えば、派遣元事業主から要請があるにもかかわらず、派遣先が派遣料金の交渉に一切応じない場合や、派遣元事業主が法第30条の3又は法第30条の4第1項に基づく)賃金を確保するために必要な額を派遣先に提示した上で派遣料金の交渉を行ったにもかかわらず、派遣料金が当該額を下回る場合には、配慮義務を尽くしたとは解されず、指導の対象となり得るものであること。


今回のマニュアルでは、
●派遣先に料金交渉の必要性を適切に説明することが難しい
●派遣料金の引き上げに応じてもらえない
以上2つの段階、それぞれの対応策として、
●労働者派遣法の趣旨・内容の詳細な説明
●派遣料金の内訳・根拠の明示
が解説されています。

弊所の顧問先でも、以前からこのような対応策を実施しておりました。
私(下平)も派遣会社の方といっしょに、派遣先(つまり派遣会社のお客様)の方にご説明にお伺いしたり、想定問答集等の策定にも関与したりしました。
以下の厚生労働省YouTubeチャンネルの活用も有効ではないでしょうか。
派遣労働者の同一労働同一賃金解説④~派遣先の留意点~ – YouTube

担当者まかせではなく、会社として対応方針が示されていないと、派遣先との直接の交渉窓口となる営業や管理のご担当者も対応に苦慮することはいうまでもありません。

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