
コラム
令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況
7月1日のこととなりますが、厚生労働省より「令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況」についての報道発表がありました。
詳しくはこちら:
「令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します
令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況
発表の要点は以下の通りです。
1.総合労働相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より減少 総合労働相談件数は124万2,579件で、14年連続で100万件を超え、高止まり
2.民事上の個別労働紛争における相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数の全項目で、「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多
3.民事上の個別労働紛争における相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数の全項目で、「解雇」の件数が前年度に比べ減少
上記の要点について、以下を補足します。
① 令和2年6月、改正労働施策総合推進法(いわゆる「パワハラ防止法」)の一部施行に伴い、大企業での職場におけるパワーハラスメントに関する相談については、同法(=改正労働施策総合推進法)に基づき対応されることとなりました。そのため、「総合労働相談」のうち「法制度の問い合わせ」や「労働基準法等の違反の疑いがあるもの」として計上され、「民事上の個別労働紛争(のいじめ・嫌がらせ)」の相談件数には計上されていないことに留意する必要があります。
また、改正労働施策総合推進法は、令和4年4月より中小企業も対象となりましたので、パワーハラスメントに関する相談については、同法(=改正労働施策総合推進法)に基づき対応されることとなりました。
② ①に関して、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)で扱う男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法、パートタイム・有期雇用労働法及び育児・介護休業法に関する相談、是正指導、紛争解決の援助の状況については、以下の通り公表されています。
令和3年度雇用環境・均等部(室)における法施行状況について
③個別労働紛争解決制度(労働相談、助言・指導、あっせん)とは?
今回の公表のもととなる、職場のトラブル解決をサポートする制度です。
くわしくは、こちらのサイトをご参照下さい:個別労働紛争解決制度(労働相談、助言・指導、あっせん)
助言・指導、あっせんの対象となる紛争とは、労働条件その他労働関係に関する事項についての個別労働紛争です。
対象となる紛争
・解雇、雇止め、労働条件の不利益変更などの労働条件に関する紛争
・いじめ・嫌がらせなどの職場環境に関する紛争
・退職に伴う研修費用の返還、営業車など会社所有物の破損についての損害賠償をめぐる紛争
・会社分割による労働契約の承継、同業他社への就業禁止など労働契約に関する紛争
・募集・採用に関する紛争(※助言・指導の対象にはなりますが、あっせんの対象にはなりません。) など
対象とならない紛争
・労働組合と事業主の間の紛争や労働者と労働者の間の紛争
・他の法律において紛争解決援助制度が設けられている紛争や、裁判で係争中である、または確定判決が出ているなど、他の制度において取り扱われている紛争
・労働組合と事業主との間で問題として取り上げられており、両者の間で自主的な解決を図るべく話し合いが進められている紛争 など
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