コラム

令和3年度補正予算

新型コロナウイルスの経済対策を含む令和3年度補正予算が、15日、衆院本会議で与党の賛成多数により可決され、衆院を通過しました。一般会計の歳出(支出)総額は35兆9895億円と補正予算としては過去最大で、約22兆円の国債を発行して財源不足を補うとされています。16日からの参院予算委員会で審議に入り、20日に成立する見通しです。
補正予算は18歳以下に10万円相当を給付する事業として、当初は現金5万円とクーポン5万円の給付を原則としていましたが、自治体などの意向を踏まえ現金での一括給付を容認したこともあり、注目されました。

詳しくはこちら、
令和3年度厚生労働省補正予算案の概要
令和3年度 厚生労働省補正予算(案)の概要
和3年度厚生労働省補正予算案のポイント


上記の概要から、注目の内容を以下に抜粋します。

Ⅰ.新型コロナウイルス感染症の拡大防止 8兆1,832億円
2.感染症の影響により厳しい状況にある方々の事業や生活・暮らしの支援

雇用調整助成金等による雇用維持の取組への支援  1兆854億円
雇用調整助成金の特例措置について、特に業況が厳しい事業主に配慮しつつ、令和4年3月まで延長し、雇用の維持・確保に取り組む。また、新型コロナウイルス感染症の影響により休業させられた労働者のうち、休業手当の支払を受けることができなかった者に対し、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金等を支給し、生活の安定を図る。

雇用保険財政の安定等 2兆1,611億円
当面の雇用調整助成金等の財源確保及び雇用保険財政の安定を図るため、雇用保険臨時特例法に基づき、一般会計から労働保険特別会計雇用勘定に繰入を行う。

小学校等臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援 55億円
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により小学校等が臨時休業となる場合等について、小学校休業等対応助成金・支援金を引き続き支給するため、対象期間を延長する。

個人向け緊急小口資金の特例貸付等の各種支援の実施 5,621億円
新型コロナウイルス感染症の影響により、生活に困窮する世帯を支援するため、緊急小口資金・総合支援資金(初回)及び住居確保給付金の特例措置並びに生活困窮者自立支援金について、令和4年3月末まで申請期限を延長する。

また、総合支援資金(再貸付)に代えて、総合支援資金(初回)を借り終えた一定の困窮世帯にも生活困窮者自立支援金を支給するとともに、再支給を可能とする。さらに、生活保護受給者に対する就労支援について、新型コロナウイルス感染症の影響等による雇用環境の変化に応じた職場の開拓等を行う自治体を支援することにより、その機能を強化する。


Ⅲ.未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動 1兆4,661億円   注目!

2.分配戦略 ~ 安心と成長を呼ぶ「人」への投資の強化
(1)民間部門における分配強化に向けた強力な支援

最低賃金の引上げへの対応を支援するための業務改善助成金の拡充 135億円
コロナ禍においても事業場内の最低賃金の引上げを図る中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援するため、業務改善助成金の拡充を図る。
コロナ禍での非正規雇用労働者等に対する労働移動支援等 808億円
コロナ禍により大きな影響を受けている非正規雇用労働者等に対し、職業訓練と再就職支援を組み合わせ、労働移動やステップアップを支援するため、トライアル雇用助成金等の拡充、民間派遣会社を通じた研修・紹介予定派遣等を行う。また、キャリアアップ助成金による非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を推進する。その他、求職者支援制度の拡充を行う(制度要求)。
IT分野への重点化によるデジタル人材の育成等 216億円
事業主等が行うIT技術の知識・技能を習得させるための訓練を人材開発支援助成金の高率助成に位置づけることにより、デジタル人材の育成等を図る。また、IT分野の職業訓練枠を拡充するため訓練委託費等の上乗せ等を行う(制度要求)。
良質なテレワークの定着促進のための企業支援 制度要求
良質なテレワークの導入等を行った中小企業事業主に対する通信機器の導入経費等の支援について、対象事業主・助成対象経費の見直しを含め、一層の活用を図ることで、時間や場所を有効に活用できる良質なテレワークの定着を促進する。
(1)人材確保等支援助成金(テレワークコース)において、テレワーク勤務を新規導入する場合のほか、「試行的に導入しているまたは導入していた場合」も助成対象
(2)人材確保等支援助成金(テレワークコース)の助成対象となる取組みにおけるテレワーク用通信機器等の導入について、「テレワーク用サービス利用料」を追加し、助成対象とする

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