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「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項②(問題提起)

はじめに、留意事項の詳細は以下を参照してください。

いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項(留意事項本文)
「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項(使用者向け資料)
「シフト制」で働くにあたって知っておきたい留意事項(労働者向け資料)


前回コラム(2022.1.15)に続き、今回は私(下平)の考えを述べたいと思います。
私が主に着目したのは、以下のところです。

【労働契約を締結する際の留意点】(使用者向け資料より)
1-3.シフト制労働契約の締結時に、労働者の希望に応じて以下の内容についても定めていますか。
a. シフトが入る可能性のある最大の日数や時間数
b. シフトが入る目安の日数や時間数
c. シフトが入る最低限の日数や時間数

1-4.シフト制労働契約の締結時に、以下を定めていますか。
a. シフトを作成するにあたり事前に労働者の意見を聞くなど作成に関するルール
b. 作成したシフトの労働者への通知期限、通知方法
c. 会社や労働者がシフトの内容(日にちや時間帯)の変更を申し出る場合の期限や手続
d. 会社や労働者がシフト上の労働日をキャンセルする場合の期限や手続

2.いったん確定したシフト上の労働日、労働時間等の変更は、使用者と労働者で合意した上で行っていますか。

【所定労働時間の算出方法】(留意事項本文 ⑵ 社会保険、労働保険の加入等 より)
1週間の所定労働時間については、2(2)ウ(イ)に記載の基本的な考え方(※)が労働契約書等に定められている場合は、それに沿って判断します。一方で、そうした定めがなくシフトが直前にならないと判明しない場合や、労働契約書等の内容と実際の勤務時間に乖離がある場合は、実際の勤務時間に基づき平均の労働時間を算定します。

(※)2(2)ウ(イ)に記載の基本的な考え方
・シフトが入る可能性のある最大の日数や時間数
(例:「毎週月、水、金曜日から勤務する日をシフトで指定する」など)

・シフトが入る目安の日数や時間数
(例:「1か月○日程度勤務」、「1週間当たり平均○時間勤務」など)

・シフトが入る最低限の日数や時間数
(例:「1か月○日以上勤務」、「少なくとも毎週月曜日はシフトに入る」


私の考えですが…

労働契約を締結する際の留意点について、
シフトが入る可能性のある最大及び最低限の日数と時間数を明示することを、法律として義務化(労働基準法、労働基準法施行規則等の改正)してはどうでしょうか。

所定労働時間の算出方法について、
所定労働時間数や所定労働日数は、労働基準法の年次有給休暇(比例付与)、労働安全衛生法の健康診断やストレスチェック、雇用保険や社会保険の適用等、労働者のセーフティネットとなるこれらの制度を適用するか否かの要件となりますので、客観的で公正な基準が求められると思います。

実際の勤務時間に基づき平均の労働時間を算定する方法は、実際の勤務時間を算定することが可能となるまで、ある程度期間を要することとなることから、入社時点でこれらの制度の適用が確定できないという不都合が生じます。この方法は、「労働契約に定める勤務内容」と「実際の勤務状況」に極端な乖離がある場合に限定するべきではないでしょうか。

そして、入社時の労働契約で約定された「シフトが入る可能性のある最大及び最低限の日数」から「所定労働時間・所定労働日数」をどのように導くのか、もう少し具体的な基準や方法を示してもらえないものかと思うのです。

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