
コラム
年金制度改正法が成立しました!(どうなる?パートタイマーの社会保険加入)
5月29日(金)
参議院本会議で年金改革法(年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案)が可決、成立しました。
6月4日(木)
厚生労働省ホームページに「年金制度改正法が成立しました」というページが設けられ、改正法の概要、参考資料、Q&Aが掲載されました。
今回の改正では、
①被用者保険の適用拡大
②在職中の年金受給の在り方の見直し(在職老齢年金制度の見直し、在職定時改定の導入)
③受給開始時期の選択肢の拡大
④確定拠出年金の加入可能要件の見直し
等が行われます。
①の被用者保険(厚生年金、健康保険)の適用範囲の拡大について、上記のホームページから一部を抜粋します。
Q.
今回の改正で何が変わるのですか?
A.
多様な就労を年金制度に反映するため、被用者保険の適用拡大を実施します。
具体的には、短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件(現行、従業員数500人超)を段階的に引き下げ、令和4年10月に100人超規模、令和6年10月に50人超規模とします。
賃金要件(月額8.8万円以上)
労働時間要件(週労働時間20時間以上)
学生除外要件
については現行のままとし、
勤務期間要件(現行、1年以上)
については実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2か月超の要件を適用することとします。
加えて、5人以上の個人事業所の適用業種に、弁護士、税理士等の士業を追加します。
Q.
現在、年収130万円を超えないよう、就業時間を抑えて働いています。年収130万円の基準が年収106万円(月収8.8万円)になるのでしょうか?
A.
被用者保険の適用拡大は、要件を満たした方が国民年金・国民健康保険ではなく、厚生年金保険・健康保険に加入するというものです。
厚生年金保険・健康保険に加入していない方について、年収130万円の被扶養認定基準は、自身で保険料を支払うか支払わないかの基準で、これに変更はありません。
すなわち、年収130万円未満であっても厚生年金保険・健康保険の加入対象にあてはまる場合には、被扶養者とはならずに、自身で加入することになります。
なお、適用拡大では、月収が8.8万円以上であることが要件の一つですが、この月収には、残業代や一時金などは含まれません。
したがって、年末の繁忙期などに残業代によって年収が106万円を超えたとしても、それによって被用者保険が適用になるわけではありません。
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